上京東部医師会は、上京区東部地域のみなさまの医療・健康などについて情報提供、クリニック・医院や病院を紹介しております。必要に応じて速やかに連携病院、診療所に紹介します。

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会員から市民へのワンポイントアドバイス

1.最近の地域医療の動きと地区医師会

 本格的な少子高齢化社会を迎えようとしている今日、保健・医療・福祉の統合の必要性が 高まっており、中でも「治す医療」と「生活を支える医療」を一元的に提供する地域包括 ケア・在宅医療の充実が急務と考えられます。 その中において、市町村・保健所・府医師会をはじめ保健・医療・福祉・教育関係団体や 地域団体・地域住民の皆様のご協力により地域に密着した地域医療体制の拡充に向けた取 り組みを進めてゆくことが地区医師会の重要な役割であると考えており、これまでの集団 健診・がん検診に加え、近年は認知症カフェをはじめとした介護・認知症関連の事業が増加してきております。

市民の皆様へ

上京東部医師会より、市民の皆様に知っていただきたい情報をご案内しています。

診療科目のお話

1)診療科目の数の多い少ないとは?
 初めに開業届を出すときに診療科を届け出るわけですが、診療科の表示については厚生労働省が示す取り決めがあります。そしてこの取り決めが年とともに変化して来たので、いろんな表示が混在しているのが現状です。30年ほど前は多くの診療科を掲げることができました(ただし、どの医師も本来の専門科目はひとつのはずです)。現在は、診療科目はなるべく2つ以内にするように、という指導がありますが、法律的には特に制限はされていません。
2)よく間違われる診療科目
精神科、神経科、心療内科、神経内科‥これらの違いがおわかりでしょうか?
簡単に説明させて頂くと
  • (1)精神科は文字通り心の病気を診る診療科です。統合失調症、躁うつ、発達障害、薬物依存など典型的な疾患に加え、最近では認知症や脳血管障害などによる精神症状の治療に大きな役割を持つ診療科となっています。また、若年層の心の問題を手がける診療所もあります。
  • (2)神経科は精神科とほぼ同じ意味で、最近は次第に使われなくなって来ました。
  • (3)心療内科は、内科疾患ではあるが心の問題が大きく影響しているものを扱います。現在、医学部で心療内科の正式な講座を持つところは少なく、心療内科のかなりの部分は精神科医が担当している、というのが現状のようです。実際に、精神科受診にどうしても抵抗を感じる患者様が心療内科を受診される、ということも少なくないようです。
  • (4)最後に、神経内科ですが、脳、脊髄、末梢神経、筋の病気や頭痛、腰痛、めまい、けいれん、手足のしびれといった症状の診療を担当する診療科です。これは内科の一部門であって、心の病気を扱うところではありませが、実際には心に問題を抱える患者様が、神経科や心療内科と同じと思って受診されるケースが多いようです。
3)消え行く診療科、新しい診療科
 平成20年から厚生労働省の方針で、診療科の表示様式がかわり、その結果、表示できない診療科名(ただしこれまでに届けられた診療科名はそのまま使える)や、これまでなかった診療科名が生じて参りました。
<例>
  消化器科=×  呼吸器科=×  消化器内科=○  呼吸器外科=○
  大腸肛門外科=× 大腸外科=○   肛門外科=○   大腸・肛門外科=○
  ペインクリニック整形外科=○
 かなり複雑な取り決めですが、今のところ、過去の申請はそのままですので、皆様が以前から通院されている医療機関の診療科目が急に変わるということはあまり無いと思います。また、診療科の名前が変わったところで、医師が変わらなければ診療内容は同じはずですので、どうぞご心配なさらないで下さい。

先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)

言うまでもなく、医薬品の開発には膨大な研究開発費が必要となります。新しい成分を探したり合成したりして、基礎実験、動物実験を経て、実際の患者様を対象とした臨床治験で効果のあったものが、商品として流通することになります。このように何年もかけて新規開発されて流通しているのが【先発品】であり、その薬品の化学物質に対する特許期間が終了してから、他の製薬会社が同一の成分、効能を持つ薬剤を販売したとき【後発品】と呼んでいます。

【後発品】は開発段階の経費がかかりませんので、【先発品】よりかなり薬価が低くなります。患者様の手に渡るとき、薬代金としては、後発品は先発品より2、3割安いとか、あるいは半額以下の価格になります。

 ただし、いくつか注意点がございます。すべての薬剤に後発品がある訳ではありません。新しい薬品や製造困難な薬剤の場合など、後発品がないものも多くあります。また、先発品と同じ成分、同じ効能といっても、100%同じというわけではありません。たとえば錠剤の場合、主成分の含有量は同じとしても、錠剤に成形するときの混ぜ物、コーティング方法など、会社により異なります。従って服用したあと体内で吸収される速度や血中濃度、効果持続時間など、いろいろな差が生じる可能性がございます。ほぼ同じであっても、全く同じ、とは言えないのではないでしょうか。
 もっとも、【後発品】といえども公式に販売が認められている製品ですから、非常に差は小さいものと考えられます。もしご心配があれば、かかりつけ医にご相談下さい。恐らく、調剤薬局でも相談に乗ってくれると思います。

院内処方と院外処方

皆様が診察を受けられた後、薬を処方されるとき、院内で薬を渡されるのか(院内処方)、院外の調剤薬局で薬を受け取られるのか(院外処方)、どちらでしょうか? 最近は、厚労省の方針もあり、院外処方となっている医療機関が少しずつ増えているようです。

 院内処方の場合、それぞれの医療機関で薬剤を購入し、調剤室でお渡しできるようにセットしています。実際に使用される薬品の種類は非常に膨大ですので、個人の診療所で購入できる薬品には限りがありますので、大きな病院に比べると若干処方の自由度は落ちるかもしれません。しかし、各医療機関がこれと思う医薬品を選んでいるので、それほど心配はいらないでしょうし、どうしても自分のところに無い医薬品が必要なら、その部分は院外を頼ることも不可能ではありません。また、薬局が閉まっている時間であっても薬をお渡しすることができます。

 院外処方の場合、調剤薬局にある薬なら何でも処方できるので、薬の種類をいろいろ変えることは簡単です(ただし、調剤薬局でもすべての薬を置いている訳ではありませんので、薬局間で連絡を取り合って調達することもあるようです)。また、医療機関で処方された薬剤について、調剤薬局で相談して後発品に変更してもらうこともある程度可能です(かかりつけ医の判断が優先されます)。その一方で、院外処方の場合、調剤薬局での手間の部分が若干ですが経費に上乗せされます。

 さて、実際に診療する医師の側から見るとどう違うのか?
 院内処方の場合、調剤室、保管庫、薬剤師などが必要です。診察してすぐ薬を渡せるし、調剤薬局で後発品に変更されることも無いですし、患者様にわざわざ調剤薬局まで足を運んでもらう手間をおかけしないですし、例えば往診などでも、自前の薬をいろいろ持って行くことも可能です。ただし、自分のところにある薬の範囲で治療をする、という制約は避けられません。

 一方、院外処方の場合、自分で薬を購入する訳ではないので、不良在庫を抱える不安はありません。薬の調節が難しくいろいろ薬剤を試したい、変更したいというときなど、診療の自由度という面では院外の方が便利です。ただし、往診などで薬を持って行くのは難しいですね。

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